スイスの永世中立国ってどういう意味?軍隊・徴兵制度について調べてみた
皆さんも一度はどこかで、「スイスは永世中立国だからとても安全な国」ということを聞いたことはありませんか?
確かに「スイス=永世中立国」というイメージが、日本人の中にはあるような気がします。
ただ実際に「永世中立国ってどういう意味なのか?」「その中立を維持するためにスイスはどのような政策を行っているのか?」ということが気になったので調べてみました。
僕と同じような疑問を持っているという方には参考になると思うので、ぜひ最後までご覧ください!
スイスの永世中立国ってどういう意味?
なんとなく自然と「スイス=永世中立国」というイメージがありますが、永世中立国とは一体どう意味なのでしょうか?
永世中立国とは、将来もし他国間で戦争が起こってもその戦争の圏外に立つことを意味するものであり、自国は中立の立場である事を宣言し、他国がその中立を保障・承認している、永世中立の立場を取る国家。
引用:Wikipedia
つまり「他国間で戦争になっても、うちの国は戦争に参加しませんし、関わりませんよ」という意味ですね。
この「永世中立国」の意味は、だいたい僕たちが想像するものと同じだと思います。
では、スイスはどのようにしてこの「永世中立国」を実現しているのでしょうか?次から詳しく見ていくことにします!
徴兵制度・国民皆兵制度が国の方針
スイスが永世中立国を実現するための第一の手段として、国民の徴兵制度が挙げられます。
「永世中立国」という言葉だけ聞くと、まるで軍隊もない平和なイメージをしてしまいましたが、実際は他国に攻められることを想定して、しっかり防衛のための武装をしているということですね。
この徴兵制度によって、スイス人の男子には等しく兵役の義務が課せられています。
また、スイスの国防のための第二の手段が、国民皆兵制度と呼ばれるものになります。
あまり聞き慣れない言葉ですが、スイスでは兵役期間終了後も30年間は予備軍人として、有事の際には国のために戦わなければならないことになっています。予備軍人は政府からの動員令から48時間以内は、いつでも動員される準備をしておかなくてはなりません。
つまり、他国がスイスに攻め込んできたときは、国民全員が相手国と戦うという、文字通り「国民皆兵」を国の基本方針としているのです。
国民全員が兵士であり、命がけで祖国を守るという方針を聞くと、何だか日本についてもいろいろと考えさせられます。
スイス軍隊の強さ
そんな国民の徴兵制度を採用しているスイスですが、スイス軍隊の常備軍は約4000人とされています。しかし、前述の国民皆兵制度があることにより、予備軍人を21万人確保しています。
日本の人口が約1億2000万人で、そのうち自衛隊員が約24万人となっています。スイスの人口が約800万であることを考えると、人口に対する軍人の数がとても多いことが分かります。
2019年軍事力ランキングでは、スイスは世界33位のランキングとなっています。この数字だけで一概には判断できませんが、国民の数を考えるとスイスはかなり強力な軍隊を持っていると言えると思います。
有事の際には橋とトンネルを爆破する
また、スイスは他国が攻め込んできたときのために、国境近くの橋やトンネルを爆破できるように設計してあるとのことです。
橋やトンネルの設計士も爆破するプランもあらかじめ考えた上で、設計をしなければならないとのことです。
スイスにとって国境は防衛線であり、他国からのアクセスを封鎖するためには、橋やトンネルの爆破も厭わないということですね。
爆破ありきで設計するとは驚きですが、いかにして国の平和を守るのかということを真剣に考えている証拠でもあるのではないでしょうか。
あらゆる建物の地下に核シェルターを設置
スイスにあるほとんどの建物の地下には、核シェルターが設置されています。
個人・公共の建物問わず、基本的に全ての建物に核シェルターの配備が義務付けられており、スイスにおいては核シェルターは何も特別なものではないようです。
現在、スイスには30万基以上の核シェルターが配備されており、スイス国民全員を収容できる能力が備わっています。
核の脅威から国民を守るのはどこの国でも同じだとは思いますが、その普及率を考えると、ここまで核兵器の被害を真剣に考えている国はスイス以外では少ないように感じます。
ここから余談ですが、スイスに住んでいる友人に核シェルターのことを尋ねてみたのですが、ほとんどの建物で核シェルターは物置として利用されているとのことでした笑
ただ核シェルターがあるということに意味があり、いざという時に逃げ込めるという場所があることが大切なのかもしれませんね。
おわりに
今回は、「スイスがどうやって永世中立国を維持しているのか?」という疑問について調べてみました。
「永世中立国」という言葉だけ聞くと、何だかとっても平和なイメージしかなかったのですが、その平和を守るために様々な政策を行っていることが分かりました。
それと同時に「平和って何だろう?」「日本の国防についてももっと考えないと」ということも考えさせられました。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。